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本日やっと、米 Twitter 社との業務・資本提携を発表出来ました(リリース内容はこちらからどうぞ)。英語版でありながら、Twitter API 対応の多くの日本語アプリケーションに支えられ、国内でもユーザー数が増えつつある Twitter サービスが、日本語環境下でより使い易くなる様に、DG としても微力ながら支援させて頂き度いと考えています。
Blogger サービス(現在はGoogle が運営)を開発した米 Pyra Labs 社創始者で、米 Twitter 社の共同創業者でもある Evan Williams 氏とは、Neoteny 時代から考えると5年余りの歳月を経て初仕事、という事になります。(途中、Google で同僚になりかけましたが、先に Evan が辞めてベンチャーの世界に舞い戻ってしまいましたので。そのあたりの経緯は、当方 Vox ブログ一昨年のエントリー御参照。)
この5年、Evan の背中を追いながら、全くゼロから新しいネット・サービスを始める苦労と面白さを各所で経験して来ましたが、Twitter を使い込むうちに、PC 世界と携帯電話世界が融合する新しいサービスの輪郭も、少しずつですが見えて来た様に思います。
Twitter プロジェクトは、DG の中では Joi が主催する Joi Ito's Lab. プロジェクトの一環と位置づけています。自由が丘の小さなラボから、ワクワクする様な新しいサービスを今後とも御紹介出来る様に努めて行く所存です。Twitter API 対応アプリを開発されたエッジなエンジニアの方々と協業させて頂く機会も増やす事が出来れば、と思っています。御興味のある方は、DG の採用ページを御参照下さい。
DG が番組制作に協力させて頂いていた MXTV の BlogTV でも、昨年5月18日に Twitter 特集を行っています(BlogTV 関係者の皆様、短い Notice で参加頂いた開発者・ユーザーの皆様、その節は本当に有難うございました!)。Evan Williams 氏の Joi によるインタビュー映像も YouTube にありますので、よろしければ御覧下さい。
最後に、本プロジェクトを粘り強く進めたプロジェクトリーダーの Rocky、携帯対応開発の要 Takaki さん、Tabebot 等 Bot 開発を推進した Masahiko、そして忙しい中交渉に奔走してくれた Joi、皆に感謝したいと思います。DGI 海外事業チーム、今年も精進して参りましょう。
Twitter Night、その後の BlogTV で流れた Evan Williams と Joi の Skype Video インタビューを YouTube で眺めつつ、Evan Williams のこれまで、を振り返ってみるとしましょう。当方の昨年秋の Vox エントリー、も御参照。Twitter は、Evan 目論み通りの indie corp に育ちつつある事が、この半年を振り返ると良く理解出来ます。
昨年秋、Blogger を開発した Pyra Labs 創業者の Evan Williams の最近の事業を棚卸ししたところで目に留まった、Odeo プロジェクトから生まれた twitter ですが、日本語対応がされていなかったので手を出さずに居りました。しかし最近、Joi が会議中にカタカタと Mac で入力しているな、と思ったら twitter の画面が。同僚の Fumi ちゃんも始めた様なので、とりあえず英語しか通らない様ですが(日本語を入力しようとすると、他の日本語非対応端末での文字化け防止の為か、全く消えてしまいます。)当方も始めてみました。TypePad ブログのサイドバーにも、Flash で Status を貼付ける事が出来ます。リアルタイム・ステータス情報交換とは、「今何しているの?」という問いにシンプルに答えるだけなのですが、結局これがよもやまリアルタイム情報交換に発展する事になります。あー、今 Joi は、インド出張で蚊帳つきのベッドから起きたんだな、等。IM でつながっていない人同士でも、携帯電話経由でも今どこ、今何してる情報の交換が容易に行えるのでとても便利、ですね。
Blogger 創業者の Evan (Williams) のブログ evhead is tinkering で、同氏が起業に関わっていた Odeo を買い取る形で、新たに Obvious 社を立ち上げた経緯が the birth of obvious corp. というエントリーで、詳しく語られている。PodCasting 事業の Odeo 社の展開はそれほど順調には行かなかった様だが、Odeo 社を買い取り、さらに Odeo 社の社内プロジェクトから始まった、リアルタイム・ステータスを携帯電話等で交換可能とする twitter も手に入れて、Evan がより活動し易い形で再起業した様子が理解出来る。Blogger をともに立ち上げた Biz Stone も加わって、創造的な活動が期待出来そうだ。Obvious 社の詳しい事業内容は説明されていないが、evhead の最近のコンテクストを読むと、推測は可能だ。
the birth of obvious corp の中にある同社が目指すビジネス・モデルは、
Build things cheaply and rapidly by keeping teams small and self-organized.
Leverage technology, know-how, and infrastructure across products (but brand them separately, so they're focused and easy to understand)
Use the aggregate attention and user base of the network to gain traction for new services faster than they could gain awareness independently
とある。少数チームのプロジェクトをそれぞれ別ブランドで立ち上げ、Obvious はこれらサービスのアグリゲーターとして機能しようとしているのではないか。その後のエントリー、knowing when to hold'em では、最近 Yahoo! や Google に買収された Web 2.0 系スタートアップの売却時期の是非について同氏の考え方を述べている。今後成長が見込めるスタートアップは、売却先起業か得られるであろう具体的な支援内容と、独立運営した場合の成長性を良く見極めた上で売却時期については熟考すべき、という同氏自身の Google への Blogger 売却経験も含めた考察は示唆に富む。Alexa 上の長期 PV 変遷グラフ上で売却時期をプロットしている考察は、参考になる。
そして、一番新しいエントリーの、indie corp。Yahoo! に買収された flickr、Google に買収された Blogger がそれぞれ、"indie corporate" として、親会社からは独立したブランドとして成功を収めている点に着目している。自身で全ての Odeo / twitter の資産を買い取り、Evan が全てをコントロール可能な新企業としてスタートを切った Obvious 社は、Evan が求める理想、"a lot of freedom, and ton of creativity, working with people I respect and like, and pursuing ideas that are just crazy enough to work" を追求しながら多くの Web サービス・ブランドをスピーディに立ち上げて行く事になるのだろう。
Web 2.0 系ベンチャーが狭いネットワークの中で相互に行っていたマッシュアップを、1企業の中でよりスムーズに統合し、ブランドはそれぞれ別々ながらも全体として大きなユーザーを持つ事になる、「スタートアップ・アグリゲーション」。全てを小規模組織にして、機動性のあるサービス立ち上げを目指す、そういう方向になるのではないだろうか。Bubble 2.0 を超える事が可能な Web 2.0 企業モデルのひとつとして、今後も注目して行きたい。
今ならもう時効なので話しても良いのだろうが、2002年の終盤、Neoteny の投資担当として Pyra Labs (Blogger 開発・運営会社) への投資検討を行っていて、当時 Pyra Labs 社長の Evan との打ち合わせを通じ、その革新的で創造的な思考スタイルと、独立心の強い様子に圧倒される様な印象を持った。その検討の最中に同社は Google に買収されてしまったのだが、それが結果的には Neoteny の Six Apart 社への投資 (Six Apart History 御参照)につながり、そして当方自身、Google という企業の強みをより真剣に考え始めるきっかけとなった。Evan の新活動はまた、当方にとってもより創造的なスタートアップ企業のあり方を考える上で、良い刺激になる。